同一労働同一賃金の対策について

前回の続きです。引き続きザックリとした感じの内容でお送りします。

基本的には、本当に同じ内容の仕事であれば同様の賃金を支払わないとダメですが、仕事内容が違う場合は賃金に差をつけても大丈夫です。そのためには職務分掌や給与規定、評価制度等を整備し、きちんと運用することが重要です。また、今回の判決では登用制度と登用実績があったことが結構重視されたように感じたので、可能であればこういう身分の固定化を回避する制度を設けておくことも大切です。

という基本を押さえた上で、簡単に思いつく対策を4つ紹介します。実行が簡単というわけではないです。念のため。

 1.長期間雇用する有期労働者を無くす。

有期労働者がいなければ、基本的にこの問題に悩まされることはありません。そこで、有期労働者ではなく全員正社員で運営する。また、現在の手当や待遇の状況によっては、有期労働者の契約を更新しない(これは本来の法の趣旨に反するような気もしますが)。 

2.有期労働者の待遇を正社員の待遇に揃える。

これが法律の意図するところとしては最も理想的だと思います。経営者の方からは、「じゃあ有期で雇う意味ないじゃん」と言われそうですが、まぁしょうがないです。しかも、可能性は低いと思いますが、上手く説明しないと労働者側から「ってことは今までが法律違反だったってこと?じゃあ今までの分の手当も貰えるんじゃないの?」という、やぶへびな感じになりかねないので、説明の仕方には注意しましょう。

 3.無期労働者(いわゆる正社員)の待遇を有機労働者に揃える。

「いっそのこと正社員の手当をカットしてしまえ」という話ですが、これは正社員が反対するでしょうから難易度が高いです。社員に不利益な変更になるので、会社側が一方的にカットするわけにもいきません。そこで、実際に行う場合には、一気に手当をカットするのではなく、数年かけて段階的に減らしていく方法が一般的ではないかと思います。もちろん社員の皆さんと話し合って同意を得ることは必要です。

 4.正社員の基本給に手当を含める、または有期労働者の給料を手当込にする。

「めんどくさいから、手当は全部無くして基本給にまとめてしまえ」というシンプルな方法です。きっと給与計算担当者も喜びます。前者の場合は、賞与や退職金が基本給に連動している場合は調整が必要でしょうし、後者の場合は「手当分を引いたら最低賃金割っとるやないか」とならないように気を付けないといけません。結局、どちらも上手く調整することが必要です。ちなみに正社員と有期労働者で、基本給の格差が大きすぎると、「そんなに格差があるとダメよ」となった判例もあるので注意してください。

 ざっと説明をしましたが、何をするにしても関係者への十分な説明と慎重な検討が必要です。 

そのほかにも今回の話と関連して、定年後の再雇用者との待遇の格差にも注意することが必要ですし、パートタイム・有期雇用労働法では相談窓口も必要なので、ちゃんと担当決めておくことも必要なので、このあたりは再度確認をしておきましょう。また、手当や業務内容に関して労使で話し合いをした内容や結果については、なにかあった時のためにきちんと記録を残しておきましょう。

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