同一労働同一賃金の判決を受けて

2020年10月に同一労働同一賃金に関する3件の最高裁判決が出ました。
ということで、今回はザックリと判決の内容を書いて、次回は今後の対策について書きます。
ザックリなので、細かい部分は(お願いだから)気にせず、気楽に読んでください。

今回は、フルタイムのアルバイトや契約社員(以下、契約社員等)が「賞与や退職金、その他給料の各種手当が、正社員にはあるのに自分たちに無いのはおかしい!(旧)労働契約法20条違反だ!」と訴えたという話です。(ちなみに、それぞれ別の会社・事業所です。)

結論から言うと、
今回の件に関しては、賞与と退職金は払わなくてもOKとなり、諸手当については払わないとダメ、という結果になりました。
なお、今回はこのような結果となりましたが、今後似たような裁判が起きた時にはその会社の制度や状況によって「賞与や退職金を払うように」となる可能性もありますので、注意が必要です。

ちょっとだけ難しいことを言うと、裁判では、次の3つの点で正社員と契約社員等との給料の差がおかしくないか、ということを判断されました。
①職務の内容(業務の内容&業務に伴う責任)
②配置等の変更(業務の内容・配置の変更)
③その他の事情
ちなみに、③その他の事情には、経営者の裁量、労働者側の納得・了解といった事情も考慮されます。

ここから各項目をザックリとみていきます。

賞与について

◆「賞与が、正社員と契約社員にはあるのに、フルタイムのバイトに無いのは法律違反だ!」という訴え

最高裁の前の裁判(高裁)では、「契約社員に正社員の賞与の80%を支給しているのなら、フルタイムのバイトにも60%くらいは払ってあげなよ」という判断をしていました。
しかし、最高裁は、「この事業所は、難易度が少し高くて責任が重い仕事をできる人材(正職員)の確保と定着のために賞与を払っているんだし、この部署に正社員を配置している経緯や事情を考えると違反とまでは言えないよ」という判断をしました。

ちなみに、最初にこの訴えを見た時は、「さすがにバイトに賞与は無理でしょ」と思ったのですが、判決の内容を詳しく見ると、今後、状況によっては賞与の支給が認められるケースも出てくるかもしれません。

退職金について

◆「フルタイムで働いてきた契約社員の退職金が無いのは法律違反だ!」という訴え

高裁は、「有期の契約社員は長期間の雇用じゃないから、基本的には払わなくていいと思うけど、何度も契約更新して長期間勤務した人には正社員の1/4くらいは払ってあげなよ」という判断をしていました。
しかし、最高裁は、「正社員は配置転換があるし、責任の重さとか業務内容とかちょっと違うよね。だから正社員と退職金について違いがあっても違反とまでは言えないよ。それに(退職金必要なら)登用制度もあるんだから、試験を受けて正社員になれば良かったのに」と判断しました。

但し、この判決に関しては「これはちょっと違うんじゃない?」という裁判官もいて反対意見も付いているので、もしかしたら、この会社の制度や待遇など、どこかが少し足りなかったら、退職金をいくらか支払うように、という判決が出ていた可能性があったのかもしれません。

諸手当について

◆「フルタイムで働く契約社員に正社員と同じような手当てがつかないのは法律違反だ!」という訴え

今回は、職務内容との関連があまり無いものは「生活保障を目的としたもの」とみなされ「扶養手当や住宅手当等などは、契約社員にも払おうね」となりました。これに関して、例えば会社側が、長期雇用の人材の確保のための手当だから、と主張しても「でも、そこそこ継続して雇用が見込まれる人は、結局長期雇用されるってことでしょ。じゃあ、差があるのはおかしいよね」ということのようです。このほかのいくつかの手当について判断されましたが割愛します。

本当は対策についても一回にまとめたかったのですが、ザックリ書いたつもりなんですが予定より長くなったので、対策については次回にまわします。

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