有期雇用契約と試用期間のこと②

今回も試用期間や有期雇用契約についての話です(平成28年の最高裁判例)。

背景

今回のケースは、ある学園(短大)に、Aさんが1年契約で入職しますが、1年後に学園側から契約を更新しないと告げられたところから始まります。

この学園の規定では、「本人が希望し、学園が必要と認めた場合は3年を限度に契約を更新でき、そして勤務成績を考慮して、学園が必要と認め、本人も希望した場合は、期間の定めのない職種(要は正職員)に異動することができる」となっています。

裁判の結果

では最高裁の判断をざっくり簡単にまとめます。詳しくは本物の内容をご参照ください。

最初に契約を更新しないと告げられた後に、裁判で争うようになり、争っているうちに契約更新限度の3年が終了します。

Aさん側としては「3年経ったし、正職員にしてくれ」となるのですが、最高裁では「有期雇用契約の更新と、期間の定めの無い雇用契約への転換は別の話ですよ」、「実際、他にも3年で契約終了している人達もいるしね」ということでAさんの雇用契約は3年で終了!と判断しました。

最初の裁判ではAさんの主張が認められ、「Aさんが契約の更新を期待するのは当然だし、この3年を限度とした有期雇用契約は実質的には試用期間だから、この後も正職員にしてあげてね!」という判決だったのですが、最高裁でひっくり返りました。

解説

そもそも、なぜ学園側が1年で雇用契約を終了したかというと、Aさんの健康状態や育児の業務への影響、事務処理上の問題のほか、協調性の観点から更新しないことにしたようです。


それほど昔の話でもないのに、ちょっと微妙な理由です。特に育児を理由にするのは...。
まぁでも、学園側の立場になれば、もともと1年の有期雇用契約なので、あえて更新しないかなという気もします。


ただし、裁判ではこれらの契約を更新しない理由については「合理的な理由を欠き、社会通念上相当ではない」としました。個人的には厳しい気がしますが、解雇にしろ雇い止めにしろ、契約を終了させるハードルは結構高いですね。

対策のご提案

ということで、試用期間や有期雇用契約について前々回前回とみてきたので、この二つの判例から学ぶトラブル予防!ということで、書いていきたいと思います。

①更新への基準を明確にし、中途半端に更新への期待を持たせない。
(「更新しない方が良い)ということではないですからね。念のため。)
②しっかり説明してちゃんと合意の上で雇用契約をする。
(契約内容を分かりやすく丁寧に説明して、しっかり理解してもらいましょう。)
③正社員への転換についてもルールを整備しておく。
(登用試験をする等、何かしらのルールを作っておくのがおススメです。)

以上3つ

有期雇用契約や試用期間のある雇用契約をする際には、労働者のためにも会社のためにも気をつけましょう!