試用期間と有期雇用契約のこと①(続き)

前回からの続きです。

最高裁では、講師の主張が認められましたが、この学校は新しく出来たばかりで教員もたくさん確保しないといけなかったという背景があり、「そういう事情があるのに1年の有期雇用契約って実際試用期間的な扱いだったんじゃないの?」というツッコミも受けているほどです。

でも、学校の立場になって考えると、教員の確保をしなければいけない時期に、なんで契約更新しなかったの?という疑問がわきませんか?

そこで、神戸地裁での最初の裁判(一審)を調べてみると、この講師の方は少し独特な方だったようです。

学校の主張としては、「新設校なのでキッチリしなきゃ!」ということでネクタイの着用を義務づけていたらしいのですが、この講師の方は何度も注意されていたのに度々ネクタイをしなかったり、何度か朝礼に遅刻したり、レポートを期限までに提出しなかったりしていたそうです。

また、この講師の方は大学バスケの役員か何かの担当をしていたようで、その大会が学校の始業式の日と重なっていたのに、バスケ大会のボランティア(?)を優先しちゃったりと、少し自由な方だったようです。

バスケの話については、学校側としては、「大学のバスケットボール選手権大会はうちの高校と直接関係が無いから、校長と相談するように」と伝えると、講師は「時間がない」と言って無断で外出し、その日の勤務を放棄した、と主張していますが、

講師側は、「ちゃんと申請して認められた」と主張しています。実際のところはどうだったか分かりませんが、講師側は「前日に出張伺いを提出し承認され、その翌日(1/8)と翌々日(1/9)に出張した。なお、1月8日は始業式、9日は一斉模試で両日共授業の予定はなく、授業への支障はなかつた。」と主張しています。

個人的には、学校側が本当に承認していたら、なんてホワイトな職場だろうと感じます。

職場の節目の行事の日に、職場と関係無い大会に出張扱いで行かせてもらえるなんて、しかも前日に申請って...一般的な会社では難しそうな気がしますが、どうでしょうか?

まぁいろいろな事情があったのかもしれませんが。ちなみに時代は1983年、今から約40年前です。

ここまで見て、普通の経営者であれば、こういう方は契約更新しないでおこうと思われるのではないでしょうか?

学校側も裁判では当然そういう主張もしていたようですが、最高裁では認められませんでした。

結局どうすれば?

学校側が、講師の問題行動に対して、どのような指導を行ってきたか、契約期間終了時にどのような説明をしたか分かりませんが、もっと丁寧な隙の無い対応を行っていれば、ここまでこじれなかったのかも知れません。

また、教員の確保が必要で、できれば契約更新したいのであれば、契約書の中に更新の基準を明示しておけば、良かったのではないかとも思います(服務規律を守るとか、遅刻しないとか)。今回のケースでは、そもそも事務局長が形だけといって書かせている契約書なので効力は認められなさそうですが。

結局大事なことは、法律などルールに詳しくない偉い人は、採用の場とか契約の場で詳しいことは話さない!

そして詳しい人に任せる!これが一番です。

そもそも、学校の労働関係法令に対する意識って...(自粛)。

サービス精神旺盛なトップの方がいる場合は、周りの方々が採用予定者にちゃんとフォローするとか、そのあたりのリスクマネジメントは必要でしょう。

採用決定した後の説明や細かい条件の説明等は、実務をしていて知識のある方に任せた方が安全です。

現在では、有期雇用契約を更新し続けるのは、5年を超えると労働者の希望があれば無期雇用に転換する必要がありますし、もし正社員と待遇が違えば同一労働同一賃金の対応も必要になってくるので、気をつけてください。

そのあたり、方法は様々あるかと思いますが、良く考えてトラブルにならないような、採用方法、雇用方法を考えて頂ければと思います。

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