試用期間と有期雇用契約のこと①

今回は試用期間の話です。

入社時、採用時に3ヵ月や6カ月の試用期間を設定しているところが多いかと思います。
(業態によりますが、個人的には3ヵ月プラス延長有りといった感じにするのが良いのではないかと思っております。)

この試用期間については、試用期間と有期雇用契約との棲み分けが微妙なところがたまに出てきます。

「???」かもしれませんが、書いている本人も「分かりにくいかな?」と思いながら書きました。申し訳ありません。

例えば、「試用期間6ヵ月」という雇用契約は普通にありますが、それに対して、「6ヵ月の有期雇用契約で期間満了後の契約の更新無し(でも働きぶりが良ければそこから再度契約することも考えるかもね、本人には内緒だけど)」という場合などはアリなのでしょうか。

まあ、有期雇用契約を結ぶ場合は、契約の更新の有無を最初に明示しないといけないのですが、「更新無し」としておいて、契約期間満了後に「また働く?」とかっていうのは無しってわけでもない気がします。でもこういうのが常態化していつもの方法になっちゃうと、まずアウトです。

そもそも、会社が残って欲しい優秀な人ほど契約期間満了前に次の仕事を見つけているでしょうから、会社としても優秀な人に残ってもらえないので、メリットのある方法ではないです。

判例ではどうなってるの?

そこで、今回は、ある新設の高校に1年間の有期雇用契約で採用された講師が「話が違う!」と訴えた裁判を見てみましょう。

最初の裁判(地裁)と次の裁判(高裁)では学校側の主張が認められ、「1年契約って契約書があるんだから、1年で契約終了でOK」となったんですが、最後の最高裁では、バッサリと「それは違うから、もう一回高裁で考え直してね」と差し戻されました。

「有期契約なんだから、その期間が終われば契約満了でいいんじゃないの?」

「何もおかしなところないよね?」

という気もしますが、どうしてこうなったのでしょうか?

話はそれますが、裁判になると勝っても負けても○○事件と判例に会社名が出てずーっと残ることもあるのでトラブルは未然に防ぎましょう。

今回の判決では、前提として、雇用する期間を労働者の適性を判断するために設定した場合は

「この期間って、基本的に試用期間と同じでしょ」(これは、そりゃそうですよね。)

「もちろん、『期間終了=雇用契約も終了』とお互いに明確な合意があれば契約終了で大丈夫」という意味の事を述べています。

そして、試用期間内で雇用契約を解約するためには

「会社が、試用期間中の勤務状態等から、採用した時には分からなかった事実を知った場合に、引き続き会社で働いてもらうのは無理!と判断することが客観的に見てもしょうがないね、と認められる場合じゃないと、ダメですよ」という感じに言っています。

この辺、だいぶ端折っているので正確には判例をご参照ください

こういう前提のもと、なぜ有期雇用契約と認められなかったかというと、学校の理事長さんがやらかしちゃっていました。

この理事長さん、採用を決める際に、1年の契約期間を「一応」って言ったり、「うちで30年でも40年でも頑張ってくれ」って言ったり、「公立の試験も受けないでうちへ来てくれ」とか言ってたようなんです。

ちなみに、理事長だけじゃなくて事務局長も雇用契約書に署名してもらうときに「形だけだから」みたいなことも言ってたみたいです。

学校のトップである理事長からそのように言われたら、『採用された講師も「契約書は1年ってなってるけど、形だけで、継続して雇用されるんだろうな」と期待してもおかしくないよね』と裁判所は判断し、「これは、1年で契約終了ということに対して明確な合意があったとは思えないから、そこら辺もう一回見直して!」ってことで高裁に差し戻しました。

ここまで見ると、「この講師の人、ひどい目にあったけど、主張が認められて良かったね!それにしてもなんて悪い学校だ!」とか「理事長さん、余計なこと言わなかったら良かったのにね」っていう感想になるかも知れません。

しかし

新設校で教員の確保が大変なのに、なぜ学校側はこの講師の契約を継続しようとしなかったのでしょうか?

裁判の結果は、この後に出来た法律にも反映されていますし、異議はないんですが、世の中こんな風に白黒つけて割り切って良いものなのか、ということで、最初の裁判(地裁)も調べてみました。

すでに通常のブログよりもかなり長くなったので、続きは次回です。

試用期間と有期雇用契約のこと①” に対して2件のコメントがあります。

コメントは受け付けていません。